有事に備えて、マイカーの給油は出来る限り満タンを意識するよう日頃から心がけましょう。
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有事で石油の輸入が滞る可能性
石油の輸入が停止する恐れも
日本の周辺で有事が発生した場合、石油を始めとするエネルギーの輸入に支障が生じる可能性があります。タンカーが直接攻撃を受けない場合でも、保険の引受の停止などにより実質的に輸送できない事態が発生する可能性を指摘できます。
石油は「直ちには」不足しない
万が一、石油の輸入が滞る事態が発生したとしても、国内に約240日分の備蓄があります。したがって、直ち国内での流通が全てストップする可能性は低いと言えます。
とはいえ、輸入不能というニュースが流れることでガソリンスタンドに長蛇の列が出来るなど、パニック的な行動が起こる可能性も否定できません。有事の際に、本当に必要な人にガソリンが届くように、一人ひとりが日頃から備えておくことは必要と言えます。社会の平穏を少しでも保つためには事前の備えが欠かせません。
東日本大震災後に起きたガソリンスタンドの営業休止
2011年に起きた東日本大震災では、都内のガソリンスタンドでも営業休止が相次ぎました。都内は地震による直接の被害は小さかったものの、東北や関東で合計6つの製油所が停止したことで石油精製能力が7割にまで低下、ガソリンや軽油が不足しガソリンスタンドが休業に追い込まれました(東北では4割のガソリンスタンドが休業:資源エネルギー庁資料)
マイカーの給油は満タンを心がけよう
そこで重要となるのが、マイカーのガソリン残量です。
残量が半分になったら給油しよう
マイカーのガソリン残量が半分になったら給油するよう日頃から心がけておくことで、もしもの時のバッファー(余裕)を確保することが出来ます。
一般的な自動車は満タンで500~600Km程度走行することが出来ます。ガソリン残量が半分あれば200Km以上は走行できる計算です。
非常用電源確保にも貢献する
昨今の自動車にはACコンセントやUSBポートが備え付けられているものが多いです。また、多くの自動車はシガーソケットから電源を取ることが可能です。
石油については約240日分の備蓄があるため、輸入が停止したとしても直ちに流通が止まる懸念は低いです。しかし国内の電力供給の3割を支える天然ガスは国内在庫が約2週間分しかありません(液化天然ガス) 輸入が停止した場合、直ちに大規模・広範囲におよぶ電力不足が発生する懸念があります。
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そのような事態が発生した際に、スマートフォンの充電など最低限の電源を確保するためにも、マイカーのガソリン残量はある程度確保しておくべきであると言えます。
なお、車はエンジンをかけた状態であっても停車状態ではバッテリーが上がるリスクがあります。エンジンがかかった状態では発電を行い補給していますが、発電量はエンジンの回転数に一定程度比例するため、停止状態では発電量が不足しがちです。